公的な支援 ── 民間の契約の前に確かめたい窓口と、2026年の法改正
更新日:2026-09-21
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民間の契約の前に、公的な窓口へ
終身サポートは民間の契約で、まとまった費用がかかります。その前に、無料で相談できる公的な窓口があります。使える支援があればそれを使い、足りない部分を民間の契約で補う、という順番で考えると無駄がありません。
まず相談できる窓口
- 地域包括支援センター。 65歳以上の方の暮らしの総合相談窓口です。市区町村が設置していて、相談は無料です。介護のことに限らず、「身寄りがなくて入院のときが不安」という相談もできます。どこのセンターが担当かは、市区町村の高齢福祉の担当課で教えてもらえます。当サイトの都道府県と市区町村のページにも、探し方を載せています
- 社会福祉協議会。 市区町村ごとにある民間の福祉団体で、下で説明する日常生活自立支援事業の窓口です。独自の見守りや終活の支援を行っている地域もあります
- 消費生活センター(消費者ホットライン188)。 契約のトラブル、解約や返金の相談ができます。契約の前に「この内容で大丈夫か」を聞くこともできます
社会福祉協議会の日常生活自立支援事業
- 対象。 認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が十分でない方。ただし、この事業の契約の内容を理解できることが条件です
- 内容。 福祉サービスを使うための手伝い、行政の手続きの手伝い、日常の生活費の管理、定期的な訪問による見守り
- 利用料。 実施する社会福祉協議会ごとに決まっていて、訪問1回あたりの全国平均は1,200円です。契約前の相談と、生活保護を受けている世帯の利用料は無料です
- 窓口。 お住まいの市区町村の社会福祉協議会
身元保証と、亡くなった後の手続きは、この事業には含まれていません。ここが、次に説明する法改正で変わろうとしている部分です。
2026年6月の法改正で広がる支援
2026年6月に社会福祉法が改正され、頼れる身寄りがいない高齢者などに、日常生活の支援、入院や入所の手続きの支援、亡くなった後の事務の支援を行う事業が、社会福祉法の第二種社会福祉事業に位置づけられました。
- 利用料は、無料または低額とする方針が示されています
- 担い手は、社会福祉協議会などが想定されています
- この部分の施行は、法律の公布から1年6か月以内とされています。いつ、どの地域で、誰が使えるようになるかは、これから決まっていきます
資力の少ない方は公的な事業で、費用を払ってでも手厚い支援を受けたい方は民間の事業者で、という二段構えになると説明されています。法改正のあとも、民間の事業者を選ぶ場面は残ります。ただ、費用の負担が難しい方は、民間の契約を急がず、お住まいの地域の社会福祉協議会に新しい事業の予定を尋ねてみてください。
成年後見制度
判断能力が落ちたときに、財産の管理と契約を本人に代わって行う人を決める制度です。
- 法定後見。 すでに判断能力が落ちている場合に、家庭裁判所が後見人などを選びます
- 任意後見。 元気なうちに、将来頼む人と頼む内容を、公正証書の契約で決めておきます。判断能力が落ちたあと、家庭裁判所が任意後見監督人を選んだ時点で始まります
国のガイドラインは、終身サポートの利用者の判断能力が落ちたときには、事業者が成年後見制度につなぐことを求めています。契約の前に、その手順が契約書に書かれているかを確かめてください。相談は、地域包括支援センターか、市区町村の成年後見の相談窓口でできます。
自治体独自の終活支援
独自の支援を持つ自治体が増えています。たとえば神奈川県横須賀市の「エンディングプラン・サポート事業」は、ひとり暮らしで頼れる身寄りがなく、収入や資産が一定以下の方を対象に、協力葬儀社との葬儀・納骨の生前契約を市が支援し、入院や死亡のときの連絡も担います。静岡市は、終活を支援する事業者を市が審査して認証する制度を設けています。
お住まいの自治体に同じような支援があるかは、市区町村の高齢福祉の担当課か、地域包括支援センターで確かめられます。当サイトでも、確認できた自治体から順に、市区町村のページに載せていきます。
引き取る人がいないまま亡くなった場合
葬儀を行う人がいない場合は、亡くなった場所の市区町村が火葬を行うことが法律で決まっています。何も準備がなければ誰にも弔われない、ということではありません。ただ、葬儀の形、納骨の場所、住まいの片付け、各種の解約は、自分で決めておかない限り希望どおりにはなりません。終身サポートの死後事務や、自治体の終活支援は、その部分を先に決めておくための手段です。
よくある質問
地域包括支援センターは、介護が必要でなくても相談できますか
できます。65歳以上の方の暮らしの困りごと全般の相談窓口です。ご本人だけでなく、家族や近所の方からの相談も受けています。
新しい公的な支援が始まるまで、待ったほうがいいですか
事情によります。入院や入所の予定が近い方、亡くなった後のことまで早く決めておきたい方は、待たずに備える意味があります。費用の負担が大きい方は、地域の社会福祉協議会に予定を尋ねたうえで判断してください。どちらの場合も、地域包括支援センターに今の状況を伝えておくと、使える支援が始まったときに案内を受けやすくなります。
公的な支援と民間の終身サポートは、両方使えますか
使えます。日々のお金の管理は社会福祉協議会に、身元保証と亡くなった後の手続きは民間の事業者に、という組み合わせもあります。
生活保護を受けています。相談できますか
できます。まず担当のケースワーカーに、入院のときや亡くなった後のことが不安だと伝えてください。日常生活自立支援事業は、生活保護を受けている世帯の利用料が無料です。