費用の内訳と目安 ── 総額で比べず、返ってくるお金と返ってこないお金を分ける

更新日:2026-09-21

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費用は3つに分けて考える

終身サポートの費用は、事業者ごとに呼び方も含む範囲も違います。総額だけを並べても比べられません。次の3つに分けると、見積もりが読みやすくなります。

  1. 契約時に払うお金。 入会金、契約金、事務管理費、身元保証料、死後事務の手数料など。事業者の報酬で、原則として返ってきません
  2. 預けるお金(預託金)。 葬儀、納骨、住まいの片付けなどの実費や、入院費の支払いに備えて、先に預けておくお金。使わなかった分は返ってくるのが本来の姿です
  3. 利用に応じて払うお金。 月額の会費、通院の付き添いなど、頼んだときにかかる費用

同じ「総額150万円」でも、報酬が100万円で預託金が50万円の事業者と、報酬が50万円で預託金が100万円の事業者では、意味がまったく違います。

目安

事業者や士業事務所が公開している費用の解説を集めると、おおよそ次の幅に収まります(2026年9月時点)。くわしい表と出典は費用の目安にあります。

  • 契約時の総額(預託金を含む) 100〜200万円。身元保証、日々の支援、死後事務をまとめて契約する場合
  • 入会金・契約金 10〜50万円
  • 身元保証料 30〜100万円。預託金を含めて表示している事業者があります
  • 月額の費用 1,000円〜2万円。身元保証だけなら1,000〜5,000円が多く、見守りや定期訪問を含むと上がります
  • 日々の支援 1時間あたり3,000〜5,000円と、交通費などの実費
  • 死後事務の基本報酬 30〜100万円
  • 葬儀、火葬、納骨の実費 30〜150万円。希望する内容で変わります

総務省の2023年の調査では、ホームページで費用を公開している事業者は約48%でした。公開していない事業者には、内訳の入った見積書を書面で求めてください。

預けたお金はどう守られるか

預託金は、事業者の売上ではなく、利用者のお金です。過去には、預かったお金を運営費に回していた大手の事業者が2016年に破綻し、利用者にお金が戻らなかった例があります。

国のガイドラインは、預託金について次のことを求めています。

  • 事業者の運営資金と、はっきり分けて管理すること
  • 信託銀行や信託会社との信託契約で守るのが望ましいこと。ほかに、財産の基盤がしっかりした別の法人に任せる方法、運転資金と分けた預金で管理する方法が挙げられています
  • 管理の状況を、利用者に定期的に報告すること
  • これらを契約書に書いておくこと

事業者に聞くことは3つです。どこに、誰の名義で預けるのか。事業者が倒れたとき、そのお金はどうなるのか。管理の状況を、いつ、どんな形で知らせてもらえるのか。

解約と返金

契約は途中でやめられます。大事なのは、やめたときに何が返ってくるかです。

  • 費用の種類ごとに、返金の扱いを書面で確かめる。入会金、身元保証料、預託金、月額では扱いが違います
  • 解約料が定められている場合、事業者に生じる平均的な損害を超える部分は無効とされます(消費者契約法9条1項)。解約料の根拠を尋ねれば、事業者は概要を説明するよう努めることになっています
  • 訪問販売や電話での勧誘で契約した場合は、クーリング・オフの対象になることがあります。迷ったら消費者ホットライン188に相談してください

寄附や遺贈を求められたら

「亡くなった後、残った財産を当法人に寄附する」ことを契約の条件にしている事業者があります。国のガイドラインは、寄附や遺贈そのものは本人の意思であれば問題ないとしつつ、契約の条件にしたり、セットにしたりすることは避けるべきだとしています。事業者は、サービスにお金をかけないほど受け取る財産が増える立場になり、利益がぶつかるからです。

財産の行き先は、事業者の契約とは切り離して、遺言で決めるものです。ガイドラインは、遺言は公正証書で作るのが望ましいとしています。

見積もりをもらうときに聞くこと

  • この金額のうち、返ってこないお金はいくらで、預けるお金はいくらか
  • 預けたお金は、どこに、どう管理されるか
  • 月々かかるお金と、頼んだときだけかかるお金はそれぞれいくらか
  • 将来、料金が変わることはあるか。変わるときの決まりはあるか
  • 途中でやめたら、何がいくら返ってくるか
  • 契約書と重要事項説明書を、契約の前に持ち帰って読めるか

よくある質問

分割で払えますか

事業者によります。分割や月払いに対応している事業者もあります。分割にした場合、途中で解約したときの扱いがどうなるかを、あわせて確かめてください。

費用を払うのが難しい場合はどうすればいいですか

民間の契約の前に、公的な支援を確かめてください。社会福祉協議会の日常生活自立支援事業は、訪問1回あたりの利用料が全国平均で1,200円で、生活保護を受けている世帯は無料です。2026年の法改正で、身寄りのない方への公的な支援も広がる予定です(公的な支援)。

事業者が倒れたら、預けたお金はどうなりますか

管理の方法によります。信託で守られていれば、事業者の財産とは切り離されます。事業者の口座でほかのお金と一緒に管理されている場合は、戻らないおそれがあります。契約の前に管理の方法を確かめることが、いちばんの備えです。

身元保証だけを安く頼むことはできますか

身元保証だけの契約を用意している事業者もあり、入会金と月額の会費だけで済む場合があります。ただ、亡くなった後の手続きが含まれないと、病院や施設が求める役割の一部が空いたままになります。何を頼み、何を頼まないかを先に決めてから見積もりを取ると、比べやすくなります。

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